経絡治療とは、中国の古典医学に基づいて日本で復興した伝統鍼灸治療です。
その目的は、身体に流れる十二本の経絡(気が流れる道筋)を調えることで、「患者様が本来持っている自然治癒力を充分に発揮できるように手助けすること。」です。
その歴史は、昭和初期の日本から始まります。
当時の日本では明治維新以降、医療といえば西洋医学が主流であり、昔からの漢方や鍼灸治療は時代遅れの非科学的な民間療法の一つとして扱われていました。
特に鍼灸は、あん摩のついでに行われ、凝っている部位にオマケで鍼をすることが多く「ついで鍼」と呼ばれ、治療としての認識は人々から消えつつあるようでした。
この鍼灸治療を現状を憂いた当時の若い鍼灸師達が、「日本にもう一度本物の鍼灸を復活させよう!」と集まり、日本に現存した膨大な量の中国の古典医学を研究し始めました。
その中で先人たちは、人体における経絡と経穴、脈診の存在に気づき、経絡を調えることで病が治ってゆくことを知りました。
このことを治療法として確立させるために古典医学の理論に基づきながら実際の鍼灸治療に使ってゆき、多くの試行錯誤の結果、具体的な治療法として体系化してゆきました。
このような成り立ちの違いから明治維新以降の民間療法的な鍼灸と区別するため、新たに「経絡治療」と名付けられ、伝統鍼灸として日本で復興されました。
(これも私が勉強した本です。この3冊はとても素晴らしい本です。)
ゆえに経絡治療は、忘れられた鍼灸本来の姿であり、経絡を調えることこそが鍼灸治療の本道である!と考えられています。
- 経絡治療は、中国の古典医学を基に日本で復興した伝統鍼灸治療
- 経絡治療は、鍼灸の本道である