経絡を調えることは身体が覚えた負の感情をリセットすることでもある

この記事は約5分で読めます。

※これは多くの患者様と会話をしながら経絡治療の臨床経験を重ねることで気付いてきた私個人の考えです。他の経絡治療の先生方の考え方とは異なっていると思いますのでご了承ください。

 

治癒・予防には心の安定が必要、でも…

先のテーマ「気、病気について」でもお話したように、病気の治癒、予防には日々幸せに生きることが大切です。

つまり、出来る限り良い気分を味わっていることです。

そのためには、思考・意識をポジティブに切替えることが必要になってきます。

しかし、一言で「思考・意識をポジティブに切替えることが必要」と言っても中々出来るものではありません。

切替えが出来ない原因の一つに、
身体がネガティブな感情(負の感情)を覚えること」が考えられます。

 

感情は、脳だけでなく身体も覚える

記憶というものは、その出来事を五感で感知したデータとその時に感じたこと(感情)の二つを脳が覚えたことです。(※下部に補足事項あり)

感情というのは心で感じますが、その感情の記憶は脳だけでなく身体も覚えてしまうことがある、と私は臨床経験から推測しています。

身体が覚える感情とは、
過去(現在進行中も含め)の様々な出来事に対し感じた負に感情のことです。

次に、身体が負の感情を覚える仕組みについて経絡治療的に考えてみます。

 

気が滞ると経穴(ツボ)が現れる

経絡は、人体に流れる気のというエネルギーのルートです。
そして経穴は、経絡上に現れた皮膚の反応点です。

何らかの理由で気の流れが滞ったとき、人体は皮膚上に反応点を作ります。
それが経穴(ツボ)と呼ばれる経絡上に現れた皮膚の反応点です。

経穴の部位は他の部位の皮膚に比べ、
押して痛い、凹んでいる、ブヨブヨしている、湿った感じがする、等の特有な反応しています。

また、気に流れが滞っている経絡付近の筋肉は、硬くなる傾向があります。

経絡が支配する内臓も機能を低下させる傾向になります。

このように気が滞ると身体には様々な反応が出てきます。

 

気の滞りは、心の乱れで起こる

気は、感情でありエネルギーです。
気が滞る主な理由は、その人の心の乱れです。

人は心が乱れ負の感情を味わうと、経絡の流れの悪い所(その人の弱点)に気の滞りを起こします。

一時的な負の感情であれば、気の乱れは起こっても身体は覚えないでしょう。

しかし、
ストレスを感じる出来事に対して継続的に感じている負の感情は、身体に気の流れの乱れを作り、経絡上の皮膚に経穴(ツボ)という形で身体に記憶されてしまうと思われます。

負の感情は、強ければ強いほど身体は反応し深く覚えていきます。

また、負の感情が余り強くなくても、長期間であれば次第に覚えていきます。

例え個人的な悩みや不安が無くても(※2)、いつも不満を言うクセ(世間への不満、自他に厳しい、悲観的な価値観・・・つまり自己否定が原因)のある人も、徐々にその不満の感情を身体は覚えていきます。
(※2:本当は悩みはあります。心の奥にしまい込んで表面的に気付いていないだけです)

これが、身体が負の感情を覚えてしまう仕組みである、と私は考えています。

 

乱れた経絡を調える経絡治療は・・・

経絡治療は、経絡に流れる気を調えることで、その人が本来持っている自然治癒力が充分に発揮できるように手伝う治療法です。

気は、感情でありエネルギーです。
経穴は、気の滞りによって現れます。

経絡を調えるために鍼灸で経穴に刺激をする経絡治療は、身体が気の流れの乱れ(経穴・ツボ)として記憶した負の感情をリセットすることでもある。
と言うことができます。

但し、リセットするのは負の感情(気・経絡の乱れ)であり、過去の記憶そのものをリセット(消去)できる訳ではありませんので、その点を誤解されないで下さい。

 

治療後のご感想は

実際、当院の経絡治療を受けた患者さんの多くは、治療後、身体が軽くなった、痛みが減った(症状の改善、治癒)だけでなく、

「なんだか胸の奥、心ががスッキリした!」
「胸の辺りの詰まり取れた感じがする。息がしやすい。」
「何か気分がいい!スーとした感じがする。」
「なんだか心も身体もトロ~ンとしている。とても眠い。」
「目が明るい、見えやすくなった。重かった瞼が軽い。」等、

気持ちや心が軽くなったことを感想として話してくれます。

このように身体だけでなく心も軽くなった感じがするとき、気は内面から身体に有益に供給され身体を滞りなくバランス良く流れているのです。

 

◎次のテーマ「経絡治療とポジティブな感情」に続きます

 

― 補足事項 ―

(※1):
記憶については、脳でなくて潜在意識が覚える、という説があります。

脳は外的刺激(五感)からの情報を処理する肉体的な器官であり、脳と心(意識)とは別物である、という考えです。

簡単に説明しますと以下のようになります。

  • 人間の内面には、心と呼ばれる意識があり、その意識は顕在意識と潜在意識の二つに分けられる。
  • 顕在意識は、我々が自覚している意識のことであり、一方、潜在意識は、無意識であり、通常、気付かない意識のことである。
  • 我々が日常、何気にしていること(考え方、健康状態、習慣、クセ等)は全て、この潜在意識の支配の下で自動的に行われている。
  • しかし、顕在意識を意図的に使えば、潜在意識に影響を与え日常の行動パターン(考え方、健康状態、習慣、クセ等)を変えることも出来る。
  • そして、この潜在意識には、今までの人生の記憶が全て保存されいている。
  • また、潜在意識の更に奥深くの超意識というレベルでは、全ての人間の潜在意識が繋がっている。

等の考えです。

尚、最後の一文は、どちらかと言えばスピリチュアル的な考えです。
顕在意識を自我、潜在意識をその人間の本質(魂や霊)、超意識を(全て、源、集合意識、神、宇宙の創造主など)として捉えている考えです。

脳科学的に見た場合は、
「脳そのものが心(意識)である」と考え、顕在意識、潜在意識共に脳の機能の一部として説明がされていることが一般的です。
意識の所在は脳であっても、顕在意識、潜在意識共に機能の説明は概ね上記の通りです。

 

この他に、「新ブログ」に私の死生観などを書いていますので、興味のある方はお読みください。

 

 

タイトルとURLをコピーしました