東洋医学からみた感情 ②

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具体的に七情を表すと

感情の七つの漢字だけでは、どんな心の状態かが解りづらいと思いますので今回は私なりの解釈を書きます。

(木) 怒  : 怒りやすい、イライラする、ムカムカ腹が立つ、八つ当たりをする、攻撃的、臆病、気が小さい、焦る、etc
(火) 喜  : 良い意味での喜びではなく異常な喜びのこと=気が狂う、はしゃいで暴れる、破壊的、破滅的、etc
(土) 思  : 悩む、考え過ぎ、いつまでもクヨクヨする、etc
(金) 憂・悲: 悲しい、淋しい、孤独感、疎外感、排他的、etc
(水) 恐・驚: 恐れ、怖い、心配、不信、疑心暗鬼、不安、気が弱い、焦る、etc

 

以上が私の解釈している七情です。
この様に書くとどのような状態かイメージし易いと思います。

例えば、最近イライラしていることが多いなら、ひょっとして木の性質の肝、胆に何か影響があるかも?と自己分析することもできますね。

ここで気付けば、症状のある病気の手前=未病で済みます。


臨床では逆に脈診で患者さんの心の状態を推測します。

脈で肝や胆の経絡(木の経絡)の乱れが著しければ、「最近、イライラしてることありましたか?」とお聞きします。

もちろん100%ではありませんが、定期的に治療におみえになる方ならいつもと脈が違いますから結構な確率で当たります。

イライラの根が深くなければ、治療することにより気持ちが落ち着くことも多々あります。
でも、実際はいろいろな感情が複雑に絡み合って病気になってますから、コツコツと治療を続けていく中で、身体が治ると一緒に心も徐々に良い状態に向っていきます。

身体に表れている症状が楽になれば、心に余裕にも出来てきますからね。

 

健康的な内面

次に理想的な七情というか七情の逆、つまり健康的な内面とでも言う状態を書きます。

 

(木) 怒  : 穏やか、勇気がある、余裕がある、etc
(火) 喜  : 良い意味での喜び、笑顔、笑い、楽しい、安心、愉快、etc
(土) 思  : 判断できる、決断できる、洞察力がある、迷わない、自信、安心、etc
(金) 憂・悲: 温かい、優しい、受け入れる、etc
(水) 恐・驚: 自信、信念、自尊心がある、他を信じれる、安心、勇気、etc


これらは七情の逆の状態、ポジティブに捉えた状態です。

あえて五つに分けてありますが、健康的な心の状態とは五つが調和している状態といえます。
自分自身にも周りの人にも愛情を感じ、生き生きしている状態のことです。

普段、日常の雑多に追われて自分自身を見失うことは、悪いストレスを受けていることになります。

そこから次第に心の乱れを招き、七情を生みます。
(ここまでなら気持ちだけが病んでいるレベル=未病です。)
そして七情が長く続くと、痛い・苦しいといった症状のある病気へと進んで行きます。

つまり普段から自分の感情に注意をしていないと、知らぬ間に自分のペースを見失い病気へと向かっていることになってしまいます。

病気予防として、自分のペースを守ることは大切です。

その為にも、自分を責めず他人も責めず全てをあるがまま受け入れ、自他共に内側にある本当の力の存在を信じ愛情を注ぐことが、本来の自分自身に戻ること、幸せな自分に戻ること、心と身体が健康になることにつながっていくと思います。

 

この様に偉そうに書いていますが、私自身も日常の雑多に追われ本来の自分を見失うことはよくあります。
だからと言って完全完璧にしようとすると反って息苦しくなるので、無理のないペースで自分の心の状態に気をつけることを心掛けています。

 

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