Q:経絡治療は中国の鍼灸と同じですか?
A:
いいえ、同じではありません。
昔から東洋医学の世界では、人体には12本の気が流れる道筋(経絡)があると考えられています。
この経絡が何らかの原因によりバランスを崩すと病気が起こり、病気を治すには経絡を調えればよいと考えられています。
この考え方を原点に、鍼灸を使って経絡のバランスに調えることで、人間が本来持っている自然治癒力を発揮させ病気を治すことを目的とした治療法が経絡治療です。
この様に経絡治療は、昔からの東洋医学(中国の古典医学)が原点となっています。
その歴史は、昭和初期、岡部素道先生(経絡治療学会初代会長)をはじめ私達の先輩である当時の鍼灸師達が、明治維新以降、西洋文化一辺倒の日本において失われてしまった鍼灸の素晴らしさを甦らせようと考え、中国の古典医学を元に日本で復興させたことがはじまりです。
経絡治療という名称も当時の日本で付けられました。
一方、現代の中国で行われている鍼灸は中医学と呼ばれ、中国古典医学が中国国内で時代と共に変化していった東洋医学のことであり、厳密に言えば純粋な古典医学とは異なるものと私は解釈しています。
従って経絡治療と現代中国の鍼灸は異なります。
詳しくは、経絡治療学会のHPや中医学の先生のHP等をお読みください。