【臨床例】舌痛症

この記事は約3分で読めます。

Hさん 40才代 女性   (治療開始日:2021/04/17)

【経緯】

約1年半前(2019年秋)から発症。耳鼻科、歯科を受診、原因わからず改善無し。
2020年1月から舌痛症の内科を受診し漢方薬、神経痛に効く薬を処方された。
しかし、現在まで完治していない。(ピーク時の4/10~5/10に軽減はしたが・・・)

【症状】

舌先から左の淵が痛む。舌全体の熱感と赤み、むくみ(歯痕あり)
長期におよぶ薬の服用によるストレス

【治療】

初回のみカウンセリング、以降は鍼灸のみ。

【使用した主な経穴】

四犢、束骨、小海、前谷、後谿、復溜、曲泉、陰谷、陰包、背部兪穴、その他
(脈診に合わせて上記の経穴から選穴しています。)

【治療の経緯と結果】

当院では、病院や他の治療院に通っても中々改善しない患者さんが来院した場合、その原因は心の状態が身体に表れていると考えています。

Hさんは初診でしたが、3年前にお子さんが当院で治療を受けており、心と体の関係を十分に知ってみえました。そのためHさんには、初診時に現在のお悩みについて尋ねカウンセリングを行いました。
(通常、初回は当院の治療に関する考え方を説明することだけで、具体的なカウンセリングは行いません。ただし、患者さんのご要望と時間に余裕のある場合は行います。)

そして、カウンセリング後の鍼灸治療で舌の痛みがピーク時の10分の1~2程度まで軽減しました。

 

この初回の体験でHさんは、自分の舌痛症が心の問題から起こっていることを認識され、今後は自身の心を癒すことを日常の主とし、自宅でのセルフケア(指定した経穴への爪楊枝での刺激とお灸)を併用すれば治ると理解されました。

したがって当院での治療は週1回のペースで十分と判断し暫く通ってもらいました。

6回目からは治療間隔を2週間に空け、8回目からは3週間に空けても症状は安定しましたので、次回の9回目の治療で最後としました。

 

ただ、この最後の3週間は、仕事が忙しく気持ちが焦ることが多かったらしく、一時、痛みが半分程度まで戻ってしまった(※)そうですが、その後、気持ちが落ち着いたら再び痛みも軽くなったそうです。
(※熱感、むくみは正常です、戻ってません)

この最後の期間の経験から、今後も何らかの心の乱れがあった場合、再び症状が出ることもあるかもしれないと思われましたが、病気の原因が理解できたことと自力でも治せることを知ったので症状に対する不安は無くなったそうです。

私は、この様なHさんの心の変化を確認できたので、今後は定期的な治療は必要ないと判断し、当初の予定通りこの9回目で緩解としました。

今後は、もし自力で何とか出来ないときがあれば、その時に来てもらうことにしました。

 

【追記】

2回目以降、具体的なカウンセリングはしてませんが幾つかアドバイスはしました。

その主な内容は「早く治そうとしないこと」です。
その理由は、治すことに関心が向きすぎると気持ちが焦るので反って逆効果になるからです。

具体的には、

  • 症状の波があっても気にしないこと(常に心を安定させることなんて出来ないから)
  • その心を乱す原因も探さないこと
  • もし原因がわかる場合は「まぁ、いいか。」と手放すこと
  • そしてセルフケアが毎日出来なくても気にしないこと(忘れるくらいがいい)

などです。

つまり、ご自身にとって少しでも気持ちが楽になることを心掛けるようにアドバイスしました。

 

【お願い】
これは患者様の許可を得て書いた一症例です。
同じような病気・症状でも全ての方が、この様な経過で良くなることを保障するものではありません。
何故なら症状の改善や緩解には、患者様の意識・心の変化が大きく関わるからです。
その点をご理解の上、お読みください。

 

タイトルとURLをコピーしました