【臨床例】スポーツ選手の慢性腰痛

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【臨床例】スポーツ選手の慢性腰痛(気の滞りが原因)

Sさん 20代前半 男性   (初診:2020/08/11)

 

症状と経緯

今年の5月、腰部から仙骨部にかけて急に痛みが出た。

整形外科ではレントゲンの検査で骨に異常なしと診断、湿布薬を処方され毎日貼り続けていたが、3か月経っても一向に痛みは無くならない。ストレッチをしても変わらない。

中学生の時、同様の腰痛が発症し、半年間部活が出来なかった。

今回も大学でバスケット選手としてプレイするのがキツイ。

 

治療

鍼灸のみ。

カウンセリングは、初診時の問診で不要と判断し行わなかった。

 

使用した主な経穴

四犢、手三里、上巨虚、束骨、陰包、復溜、曲泉、陰谷、その他

(脈診に合わせて上記の経穴から選穴しています。)

 

治療経緯と結果

初回、上肢と下肢の経穴に鍼をした時点で脈がほぼ調った。

確認してもらうと仙骨部の痛みが半減した。
その後、背部兪穴に鍼をして再度確認してもらうと痛みが殆ど無くなっていた。

下肢や臀部の重さもあったが、それらも軽くなり動き易くなった。

以前、足首を捻挫したときから続いてた古傷の違和感も消えた。

 

翌日(2回目)
「昨日は、一日中、痛み無し。今朝、起きた時に痛みが少し戻っていたが、それでも全然楽である。」とのこと。

昨日(初回)の鍼治療にお灸を加えて治療した。
仙骨部辺り痛みが完全に消失、下肢や首肩周りもとても軽く動かし易くなった。

 

今回の治療で脈が調ったため「大丈夫」と判断し、以降は、しばらくの間、自宅でセルフケアとして指定した経穴に爪楊枝で刺激してもらい、様子をみてもらうことにした。

 

考察

現代医学的な治療(湿布などの薬、理学療法、ストレッチ)をしても症状が改善しないとき、気の滞りが原因となっている場合がある。

Sさんの場合、慢性的な筋肉疲労が原因で気の乱れが生じ、肉体的な弱点の腰部に痛みが出ていたと思う。

また、古傷の足首の違和感も腰に負担を掛けていた可能性があった。

そして湿布薬を長期間使用(※)したことも回復を遅らせる一因になっていたと思う。

(※:慢性的な腰痛の場合、湿布薬に含まれる消炎剤が患部の血行を悪くし、それが筋肉の疲労物質を溜め易くするため、反って治癒を遅らせることがある。)

 

この様なときは鍼灸で気の滞りを治せば回復は早い。

特に、Sさんのような若いスポーツ選手で、体力もあり、気の滞りも根深くは無い場合は、鍼灸が一層効果的に働き自然治癒力が発揮されやすく驚くほど回復を早める。

プロ、アマ問わず、なかなか古傷が癒えなく困っているスポーツ選手は、ひょっとして気の滞りがあるかもしれない。

当院のように気を流れを調える鍼灸を一度試してみるといいと思う。

ただ、気は目に見えない。
そのため現代医学の考え方しかできない医師や治療家、トレーナーでは根本原因に気づけないのが問題である。

 

【お願い】

これは患者様の許可を得て書いた一症例です。
同じような病気・症状でも全ての方が、この様な経過で良くなることを保障するものではありません。
何故なら症状の改善や緩解には、患者様の意識・心の変化が大きく関わるからです。
その点をご理解の上、お読みください。

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