年老いた親への心配

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◎これは「他人(ひと)から心配されたい人 ②」の続きです

 

多くのお年寄りは未解決な課題に未だ囚われたまま

先回、年老いた親のことを書きましたが、
誰もが現実問題として親との関りで悩んでいると思います。

ここに書いている内容を、私の親世代(80歳代以上)に
話しても理解してもらえることはとても難しいです。

それは「親が子供の心配をするのは当り前だ」という考えに
どっぷり浸かって生きてきた世代だからです。

 

私見ですが、多くのお年寄りは心に中で
未解決な課題(自分を苦しめる価値観・固定観念)に囚われたままです。

その囚われのまま長く生きてきたので
心の奥に傷付いてる自分を残したままの状態なのです。

それが身体に現れ、中々治らない様々な病気となっているのです。

 

でもそのことを知らないので
ご本人もご家族も病気を齢のせいにしています。

確かに体力が衰え身体の機能も弱りますが、
身体的な苦しみを伴う症状までに発展するのは全て
未解決の心の不安が原因であると私は思っています。

 

※余談です。
子供は人生が短いので悩み苦しんでいる時間も短いです。
固定観念も少なく執着も緩いので意識の切替えがスムーズなので
回復は我々大人に比べ早いのです。
つまり、若いから体力がある、生命力が強いということだけが
病気からの回復の要因ではないのです。
もちろん、これは一般的な場合であり、子供でも心の苦悩が強く
心を閉ざしている場合はこの限りではありません。

 

ご本人(親)の心を癒す手助けができればいい

自分の親の苦しみを少しでも軽減させたい、
と思う気持ちは、家族ならあるでしょう。

でも、年老いた親にココで書いてあることを家族の人が言葉で説明しても
当人の理解力を考慮すると難しいのが現実です。

ましてや認知症を患っていたら尚更です。

 

もちろん、お年寄りご本人に自分の意識を変える意志をお持ちであれば
充分に可能であると私は思っていますが、
家族の人が心配してる場合は、殆どがご本人に意志があるとは限りません。

だったら
理解が出来ない親や変わる意志のない親には、
何もしてあげられないのか!?と思うかもしれませんが、
そうではありません。

大切なのは、ご本人の心を癒す手助けができればいいということです。

必ずしもココに書いてあることを理解してもらう必要はないのです。

 

世話をする家族(子供側)が、自分達の心を癒すこと

「他人を心配する人」でも書いたように
相手を心配すれば不安を大きくするだけで何もなりません。

ということは、世話をする家族(子供側)ができることは、
心配してしまう自分達の心に余裕が持てるように自分自身の心を癒すことです。

そして、その余裕の心で優しく接することにより、
相手(この場合は年老いた親)に安心感を与えることなのです。

 

そのためには、親のために無理して頑張るのでなく、
自分の苦しんでいる心に気づき、自分自身に優しくすることです。
それにより自分たちの心に余裕を少しずつ作ってゆくことです。

家族各人が、自分自身への責めではなく赦しをすることです。
自分自身への不信でなく信頼をすることです。

 

家族の中で誰か一人でもこのことに気づき心の余裕が出てくると、
その雰囲気が周りの家族に伝わり徐々に良い雰囲気が大きくなります。
その家族の雰囲気が、年老いた親の心の不安を少しずつ軽減させていくのです。

すると不思議なことに
親の病状が軽減したり安定することが起こってくるはずです。
我がままや意固地さがある場合も、それらが減ってくるはずです。

そうなれば家族の負担も少しずつ軽減するはずです。

 

なぜ親の病状が軽減するのか?

親というのは、子供達が仲良く幸せに生きてくれることが
何よりも幸せなことであると私は思います。

もし自分が育てた子供や孫達が笑顔で幸せに生きている姿を
見ることができたなら、そこに自分が生きてきた人生に価値を
見い出せ、自分を認めることができるからです。

 

〇親自身が自己嫌悪、自己否定が強い場合、

こういう場合でも子供達が幸せなら自分への罪悪感を減らすことが
出来ます。
(もし不幸な人生を送っていたら親は益々自分を責めます。)

時には子供達が幸せそうに見えるとき、親は自分の現状とのギャップで
寄って来ないこともあります。

でも子供が不幸でいるよりは心は楽なはずです。
時間とともにそのギャップは消えていき親は変わっていきますから
そこを信じて待つことです。

 

〇認知症の場合、

たとえ認知症でも幸せな雰囲気は伝わります。
過去の邪魔な記憶がない分、素直に反応してくれることもあります。

時には攻撃的で全く伝わらないように見えることもありますが、
この場合も先の例と同じで末永く待つことです。

 

いずれの場合も、もし我々が自分の心を癒し幸せに生きることをしたのなら、
そのことが親自身の心に幸せを感じさせ、心が癒され気が高まり、
その結果、自然治癒力が強くなり病状を軽減してゆくのです。

だから、もし遠くに住んでいて親の世話が直接出来なくても、
何らかの理由で会えなくても、そのことで自分を責めることは無いのです。

一番の親孝行は、我々子供が何処に住んでいても平和に幸せに
充実した人生を生きていくことなのですから。

 

解決の糸口は自分たちが変わること

どんなことも決して焦ってはいけません。

まずは落ち着くことです。

そしてすべきことは、相手(親)を変えることではありません。
自分たちが変わることです。

 

誰の心にも自分を苦しめる固定観念が沢山あります。

もちろん今の私の心にも数えきれないほどあります。

それらをいっぺんに克服するのでなく、
気づいた時に一つ一つコツコツ切り替え自分の心を癒すのです。

そうすることが自分の身体を癒し、
人生の問題を解決する機会を作ることになってゆくのです。

 

親への悩み、子供への悩み、その他の人間関係の問題も全て同じです。

相手を心配することではなく、
心配している自分の心の不安を癒すことが、実は問題解決の糸口になるのです。

自分を疑っていたら心は安定しません。
自分を責めていたら心は苦しく辛いばかりです。

自分の人生を平和に幸せに生きたいのなら
自分への信頼と赦し(あるがままの自分を愛すること)を実践するしかないのです。

何度も書きますが、自分を癒すにはそれしかないのです。

 

終わり

 

(※これは2014年11月21日のブログ記事の転載です)

 

<お願い>
私のブログは「治療中の会話の中で重要な部分だけでも後から思い出せる様にして欲しい」という患者様からのご要望が元で書き始めたものです。
従ってこれは会話の一部分の要約であり、お悩みの内容や会話中の質疑応答などは殆ど省略されています。
そのため、このテーマについて全く私と会話をしたことが無い人が読んだ場合、意味が通じず誤解を与えることもあると思います。
何卒、その点をご了承の上お読み頂けると幸いです。

 

 

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