【臨床例】左肘~左指先の痺れ・痛み(胸郭出口症候群)

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【臨床例】左肘~左指先の痺れ・痛み(胸郭出口症候群)

Iさん 40代 男性   (初診:2020/08/26)

症状と経緯

8/19の夜、急に左手首に痺れ・痛みが出た。
その後、症状は肘(尺側)、前腕(尺側)、中・薬・小指へと転々と移動。

8/24、O市民病院の神経内科を受診、検査し「神経には異常はみられない」と診断され神経に効く鎮痛剤を処方された。

しかし、全く効果なし。

仕方なく市販の鎮痛剤を服用、それがかろうじて効き何とか眠れるが、切れると痺れ・痛みで再び眠れない。

尚、整形外科は未受診、頚椎は検査していない。

 

治療

鍼灸のみ。

(「ストレスはある」と言うことですが、カウンセリングのご要望が無かったので行ってません。)

 

使用した主な経穴

孔最、手三里、陽輔、束骨、復溜、曲泉、陰谷、その他

(脈診に合わせて上記の経穴から選穴しています。)

 

治療の経緯と結果

初診時、頸部、肩上部、胸部の触診し、左鎖骨下窩に硬結と圧痛、左側頸部と左肩上部の凝りを確認した。

医師の診断はないが、触診と問診から胸郭出口症候群と推察し治療をした。

 

初回、上肢と下肢の経穴に鍼をした時点で脈がほぼ調った。
確認してもらうと手の痺れが少し減った。鎖骨下窩の圧痛も減った。

その後、背部兪穴に鍼をして再度確認してもらうと「左手の痺れがたいぶ減った。前腕の皮膚の感覚も戻てきた」と仰った。

 

二日後(2回目)
「痺れ・痛みはだいぶ減った。症状のピークに比べ今は10分の6ぐらいである。」とのこと。

初回と同様に経絡を調える鍼灸治療をした。

「来院時より楽になった。ピーク時の10分の3以下になった。」とのこと。

 

今回の治療で脈が調ったため「大丈夫」と判断し、以降は、しばらくの間、自宅でセルフケアとして指定した経穴にお灸と爪楊枝で刺激してもらい、様子をみてもらうことにした。

 

考察

私は医師ではないので診断することは法律上できないが、診察からIさんは胸郭出口症候群であると推察した。

特に鎖骨下窩に筋肉の硬結と圧痛が著しい場合、上肢へ流れる血流が悪くなっており虚血により前腕に痺れや痛みを出すことがある。

Iさんの場合、この虚血が痛みの原因であるため血流が改善しない限り痛みは消えない。

故に神経に作用する鎮痛剤を処方されても効果はないのである。

 

通常、Iさんの様な症状の患者さんに対しては、症状の出ている前腕や肩上部、側頸部に施術することが多い。
それに加え先にも書いたように鎖骨下窩が原因である場合は、そこの硬結を何らかの方法で緩めない限り改善は難しい。

 

とは言っても、当院では基本的に患部に鍼はしない。

今回も鎖骨下窩には一切施術はせず、気の流れ調える経穴に鍼灸しただけである。

それだけで鎖骨下窩の筋肉の硬結は緩み、血流が改善し、症状が軽減したと思われる。

 

このように人間の持つ自然治癒力は、私たち治療家があーだ、こーだと患部に施術しなくても自動的に治してくれる実に素晴らしい能力なのである。

 

 

【お願い】

これは患者様の許可を得て書いた一症例です。
同じような病気・症状でも全ての方が、この様な経過で良くなることを保障するものではありません。
何故なら症状の改善や緩解には、患者様の意識・心の変化が大きく関わるからです。
その点をご理解の上、お読みください。

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